以前の記事でもお伝えしましたが、現在国内のInstgram(インスタグラム)企業アカウントは1万法人を超え、ますます活発になってきております。
インスタグラムで259万以上のフォロワーを持つ柴犬まるの飼い主でありインスタグラム管理者のまるパパ事、小野さんへ“インスタグラムのビジネス活用方法”をインタビューしました。
企業が、今インスタグラムで発信すべき理由
―早速ですが、企業がインスタグラムで発信する理由とは何でしょうか?
企業がインスタグラムで発信するべき理由は、二つあります。
一つ目は、端的に言えば、お客様から求められているからです。これまで企業側からお客様に向けて発信していたのは、『作り上げられた(CMや新聞・雑誌などの)広告』だけ。
ステルスマーケティング(消費者に宣伝と気づかれないように宣伝行為をすること)が世間に浸透してきたことによって、消費者が企業に対して「消費者をうまく騙して稼ごうとしているのではないか…」と、疑いの目を向け始めるようになってしまったんです。
そこで、作り上げられたキレイな広告だけではなく、相手の体温やリアルを感じることができるSNSからの発信によって、消費者に『リアルな生の声』を届けることが必要になっています。そこでようやく、消費者が再度企業に向き合ってくれるようになっているというのが現状です。
企業側はユーザーと向き合うために、そしてリアルを伝えるためにインスタグラムでの情報を発信すべきなのです。
―様々なSNSがあると思うのですが、企業がインスタグラムを使うべき理由はありますか?
SNSによって特徴は様々なので、インスタグラムだけを使った方が良いということはありません。Twitter、Facebook、Line等それぞれの良さを生かして、併用すれば良いと思います。インスタグラムで言えば、やはり『写真』を使ったSNSということですね。極端な話、文章無しで写真だけで投稿できるボータレスなSNSですから。そして、日本国内のSNS毎の成長率でいえば、インスタグラムが圧倒的な事も見逃せない点です。
―なるほど。企業がインスタグラムで発信すべき二つ目の理由は何でしょうか?
二つ目は、広告と違ってコミュニケーションツールとなることですね。
企業から発信するだけでなく、消費者からの反応も受け取ることができるからです。ビジネスコミュニケーションができるというのは、インスタグラムを活用する大きなメリットになると思います。
インスタグラムのビジネス活用でオススメの方法
―では、インスタグラムのビジネス活用でオススメの方法はありますか?
CMや新聞・雑誌広告を出した心理や副音声的な役割として使うのが良いと思いますね。
―広告を出した心理や副音声的な役割というのは、具体的にどういうことでしょうか?
たとえば、15秒ほどのテレビCMの最後に「続きはウェブで」なんて言葉が流れることがありますよね。
でも、実際にわざわざネットでその企業を検索して続きを見る人は少ない。なぜなら、面倒だからです。
でも、インスタグラムにそのCMの続きの動画をアップしておけば、消費者に検索の手間をかけずに見せることができるわけです。
また、広告に出ている芸能人などの撮影メイキングや裏話を載せて『リアルな現場』の温度感を伝えることなども考えられますね。
―企業の商品だけじゃなく、リアルな現場の温度感を伝えるのはなぜ必要なのでしょうか?
インスタグラムにおける「いいね!」の数は、「共感」の数なんです。
ですから、良い商品の写真がアップされているだけでは共感は生まれません。その商品の裏側にある『リアル』が伝わったり、「なるほど」と思わせることが大事。
そのためにも、商品だけじゃなく企業のファンになってもらうことは重要です。ですから、通常の広告だけじゃなく現場の様子などが伝わった方がより良い効果が得られます。
―インスタグラムのビジネス活用で、リアルな温度感を伝える以外にオススメの方法はありますか?
インスタグラムって、SNSの中でも『カッコ良い』『イケてる』というイメージが強いんです。
だから、インスタグラムで人気が出れば『カッコ良い企業』『イケてる企業』というブランディングも可能です。
写真映えしそうな店や商品などを売り出したい場合、インスタグラムは強い味方になると思います。
インスタグラムのビジネス活用で重要なこと
―インスタグラムのビジネス活用で重要なことはありますか?
インスタグラムは、他のSNSと違って拡散機能がないんですね。だから、他のSNSと違って、その人のタイムラインにはその人の意思しか表示されない。
そういう意味で、まずは自社の商品やサービスをとにかく数多くアップするということは重要になります。
誰かが広めてくれない限り、自分で少しでも多く宣伝しなければいけないということです。
―インスタグラムのビジネス活用で、数多く投稿する他に重要なことはありますか?
あとは、企業のインスタグラムで見て「私も、これを写真に撮ってインスタグラムにアップしたい!」と消費者に思わせることも大事ですね。
だから、インスタグラムで投稿しやすい商品や写真は何か?を考えて投稿するのも良いと思います。
―インスタグラム発信で流行した観光地やスイーツなども多いですもんね。
そうですね。写真の撮り方を工夫したり、写真映えする撮り方の紹介を添えるだけでも消費者の反応は違ってくると思いますよ。
―インスタグラムに写真を投稿するときに、注意すべきことはありますか?
さっきも言った通り、通常の広告と違って消費者はインスタグラムに『リアル』を求めてるんですね。
だから、綺麗な写真をアップすると言う事ばかりにフォーカスするよりも、共感を生んだり「なるほどな」という気付きをユーザーに与えることに力を注ぐべきだと考えます。
たとえば、服という商品なら、細くてスタイル抜群のモデルを使って見せるのは広告でやれば良いわけです。
インスタグラムなら、見ている人に近い普通のスタイルのモデルを使ってコーディネートを見せる方が消費者は喜ぶということ。
「こんなに素敵な商品ですよ!」と宣伝するのではなく、消費者目線に立って「こんな着こなしもできますよ」「1枚でこんなにお得ですよ」と気付かせてあげる。
そういう意味で、どれだけ消費者の立場にたって考えられるか?投稿できるか?が重要になると思います。
まとめ
「インスタグラムの企業アカウントがはやっているから」「SNSはタダで宣伝ができるから」という理由でインスタグラムを始めても、なかなかうまくいかない理由が見つかったでしょうか?
インスタグラムのビジネス活用でできること
・消費者に企業と向き合ってもらうこと
・消費者とビジネスコミュニケーションがとれること
インスタグラムのビジネス活用で重要なこと
・企業や商品のファンになってもらうこと
・「キレイな写真」ではなく「共感」「気づき」を与えること
こうした視点を踏まえて、インスタグラムの運営を再検討してみてはいかがでしょうか。
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